スクラップアンドビルド読み読み
読んでいて筋トレしたくなる一品。
うちにも要介護のじいちゃんがおり、親も「そろそろ本格的にやばい(死ぬの意)」と連絡してくるので、今年は何度か実家に帰省しております。
じいちゃんはそろそろ死ぬと言われて9年目になり、この秋、齢94歳を迎えました。
素人目では自力で便所に行っているので、まだまだイケてしまうのではないかと思ってます。
痴呆の方は進んでおり、今年ついに、次男である僕のことを兄、実家で同居している兄のことを弟だと思い始めるようになりました。おそらくは身長が僕の方が高いという情報に惑わされているのでしょう。親が僕が帰省したことを説明すると、「兄が、東京から帰ってきた」と涙を流して喜んで頂けました。
人違いとはいえ、再会しただけで泣いてくれるのは、世界で彼だけでしょう。みんなやられたことないでしょ?やられてみるととてもありがたいものです。
さて、頑固者で暴力衝動のあるじいちゃんを取り巻く人間関係はすこぶるよろしくなく、家族は実の娘である母以外はあまり近づきません。そのことを知ってか子供の頃から、家が明るくなるように振舞っていたいました。「人間関係の悪い奴らの間を取り繕うのは果てしなく面倒臭いなぁ全員死ねよ」と子供ながらに腐れてたあの感覚が、実家に帰ってきて、ものの1日で復活しました。最低ながら早々に逃げ帰ってしまいました。数日ならば明るく振舞えますが、ずっと同居するとどうなるのだろうと考えると怖いです。嘘嘘そこまで怖くないです。でもずっとつきっきり一人で全て受けている母のストレスはこの比ではないでしょう。
スクラップアンドビルドの祖父はかなりマシだし、取り巻く家族関係はそんなもん。主人公の考え方は孫としてあるある。
本作に希望がないなどとの批判があったけど、この境遇の中での少し軸が曲がった主人公の心持ちを描いたもので、ウィンウィンを考え、祖父との生活の中で前向きを取り戻し、むしろとても希望ある生き方に思えた。祖父自身が報われるとはどういうことなのかをここまで考えているならば、祖父は幸せであるとも言える。
もし結果がわかりやすいアトラクションのような希望をこの作品に求めてるなら作者とジャンルを間違えてるとしか言いようがないし、そんな介護があればファンタジーとしか言いようがなく、他に言いようがない。実際言いようは他にもあるので、ネッツで蔓延る芥川賞批評家への憤りを現した語尾に過ぎないブチ切れ祭り感謝祭である、文章が長すぎる。
これから本を読み読みしていきます
本を読んだ後ネットで感想を言ってる方々がいる。
外で飯を食ったときに食べログ等でその味を吹聴する方々もいる。
中には吹聴するために読み食べ聴き観て休日を過ごす方もいらっしゃることでしょう。
21世紀のトレンドですからね。
つまり僕が始めたとしても何ら不自然ではないわけだ。完璧。